今年も新作落語台本の会が池袋演芸場で始まった。毎年、落語協会が台本を募集して11月にその発表会が行なわれ、そこで発表された過去の作品を含めた噺のすべてを披露する会である。今年もアタシは出番が3日間あり、そのうちの1日はトリを勤める。

 そのアタシの初日の出番が本日あった。客席は8割ほど埋まっていて、若い方が多かった。出し物は「隣の男」であったが、反応はきわめてよかった。例年やっている噺だが、その度に台本を少しずつ変えている。今年も少し手を加えたが、試行錯誤を繰り返している感じである。

 今年はまた新たに応募される噺に挑戦してみようと思っている。それにふさわしい作品が寄せられることを熱望している。6月末が締め切りとなっているので、我こそはと思わん方はぜひとも応募してほしい。お待ちしております。

 今月の深川落語俱楽部も無事終わった。今回のゲストは瀧川鯉昇師である。大相撲東京場所の折には声をかけていただいて、土俵下の溜り席で一緒に観戦させていただいている。また、毎月第4水曜日には松丘亭寄席で一緒に高座を勤める。この会は40年続いている。

 そんなわけで最後の抽選会も手伝ってもらうことにした。かつて金太楼寄席でも毎回一緒に抽選会をやっていたので、その辺の息は分かっている。そのため、今回もそのままやっていると次から次へと話が弾んで漫才のようになってしまうため、抽選会に集中することにした。

 さて、前回打ち上げ会場で拾った財布の持ち主に、今回の落語会に来てくださいと声をかけておいたのだが、果たしてどうなったかというと、何と3名でご来場くださった。まさかと思っていたが、ちゃんと約束を守って下さった。やはり、健全で律儀な酒飲みである。

 その後、打ち上げ会場でも予想通り、ご一緒することになり、今度はこちらから改めてお礼を申し上げた。そんなわけで家族と鯉昇師ともども美酒を楽しむことが出来た。

 落語研鑽会の旅の仕事があった。この会は浅草の旅館が主催していたものなのだが、その旅館も店を閉めてしまった。しかし、落語研鑽会自体はまだ続いているようで、そこから依頼を受けたというわけ。今回は富士山のふもとの街の公民館やホールが会場となっている。

 同行したのは一門のSである。彼は仲間内で通称おしゃべりS公と呼ばれていて、仲間内の逸話や裏話を得意としている。中には嘘か誠か分からないような話も多いが、とにかく面白い。しかし、仲間しか知らないような話が多いため、お客さんの前でやってもちっとも受けない。

 今回は高齢者の年間を通してのつどいの終業式での落語会である。人数は会場によって15人から60人と様々。ほとんどがご婦人方である。この街には男の高齢者はいないのかと思うくらい。まあ、ご婦人方の方がよく笑ってくれるので、アタシたちにはありがたい。

 前半は交通安全や振り込め詐欺に注意しようという話があり、その後に表彰式のセレモニーがあって、それからアタシら2人で50分ほどの高座となる。とにかく楽しんでもらうためにマクラだくさんのたわいのない噺でご機嫌を伺って来た。

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