2008年08月

 23日、24日の2日間、カミさんの信奉する天心聖教の東京天心会、沼津天心会、甲信越教区のグリーンホリデーin志賀高原旅行が行なわれた。

 23日、朝7時に天心聖教本部に集合し、参拝後バス8台を連ねて志賀高原へと向かう。去年は350人ほどだったのが、今年は700人近い人数というのだから幹事さんたちの苦労も知れるというもの。2つのホテルは貸切となった。午後1時少し前、志賀パレスホテルに到着。そしてカレーライスの昼食。

 昼食後、ネイチャークラフト体験というのがあって、それまで時間があったので部屋でくつろいでいると、突然、館内放送で名前が呼ばれ、至急大広間へ集合とのこと。てっきり花札大会でもあるのかと思ったら(笑)、教主様はじめ先生方が蕎麦打ち体験をやるので、一緒にやろうというお誘いだった。まさか、こんなとこで蕎麦打ちをやらされるとは思わなかった。

 先生役のおばさんたちに教わりながらそば粉につなぎを混ぜ、少しの水を加えて約20分こねるのだという。このこね方がむずかしい。7人ほどが交代でこねる。これを一人でやるのはかなりの重労働だ。その後、棒で平らに延ばして、そば切り。これも同じ太さに揃えて切るのには技術を要する。約1時間後に太さバラバラの蕎麦の出来上がり。喜びもひとしおである。

 その後、本来アタシがかかわるネイチャークラフトに。アタシらは細い木のツルを使って小さな籠を作る工作。これも先生に教わり、約1時間でシュガースティックを入れるようなかわいらしい籠が出来上がった。やはり形の残る物を作るというのは楽しいもんだ。ちなみにカミさんたちはウッドマットという鍋敷きのようなものを作ったという。

 バイキングの夕食後は外に出てサタデーナイト・ファミリーだ。なんと戸外は16度という寒さ。さすがにスキー場だけはある。各青年部、婦人部、小学生の部らが3ヶ月かかって稽古したショーを展開する。みんな真剣だ。これに教主様や先生方がからむのだから、ことさら面白い。それにもまして司会進行のロバート山田氏のパフォーマンスは最高だった。

 さて、その晩のこと。ヘンな夢を見た。柳亭左龍の真打披露目の時の出来事なのだが、
 ≪あるレストラン(これが何故かスタジオ・ジブリの仕事場なのだ)に仲間と入ったところ、席の隣に貸金庫があり、この出し入れ口が郵便ポストのような形になっていて、チラッと見ると、そこに千円札がのぞいている。それをアタシが引っ張り出してみると次から次へと面白いように金がつながって出てくる。アタシはあわててそれを自分のバッグに突っ込み、そしらぬ顔してとぼけている。
 そこへ左龍が現われて自分の披露目の資金を金庫から取り出そうとすると、なんとカラッポ。唖然とする左龍。見て見ぬ振りをするアタシ。途方にくれて左龍は周りの仲間に金庫の中の金を知らないかと尋ねて廻るが、みんな首を横に振る。むろんアタシも。
 その帰り道、何故かアタシと左龍が二人きりになってしまう。彼は警察に届けるかどうかと悩む。そこでアタシは指紋を調べられればバレてしまうと思い、涙を流して左龍に謝罪をし、盗んだ金を返す≫
という、なんとも後味の悪い夢。

 24日、朝5時。オジサンたちの朝は早い。7人部屋の2,3人はすでに起き始め、顔を洗ったり、湯に行ったりしている。アタシは行程表通りに6時起床。しかし、この日は雨。琵琶池などのトレッキングはすべて中止となってしまい、つどいの会を全員で行なってお開き。そのため少し早めのバス乗車となった。

 それにしてもあの蕎麦は一体どうなったのだろう。夕食時に供されると言われていたのだが、ホントに出されたのであろうか。それと、この2日間、喫煙者との同部屋は正直つらかった。また来年参加するかと言われたら、否だろう。一考を願いたい。
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 家族は長女とアタシを残して、カミさん、長男、次女の三人は12日から、カミさんの両親と一緒に両親の実家である新潟県上越に行っている。例年だとアタシも同行するんだが、今年は岡谷の歯科医師、F先生からゴルフと花火のお誘いを受けていて13日に東京を後にした。

 今回は急ぐ旅ではないので電車でなく、ハイウエイバスである。新宿から往復で5500円。片道3時間半の旅である。普段は1台のみなのだが、この日は3台連ねて中央道を往く。そして珍しく予定時間より5分早く岡谷駅に到着。宿泊はいつも通り先生宅、ホテルFである。(笑) ここには過去、ずいぶんと泊っている。先月も松本・波田からの帰りに一泊している。

 午後6時から岡谷太鼓「太鼓まつり」があるというので、ちょっと覗いて近くのビル内の店に向かう。このビル、かつては東急デパートであったのだが、つぶれてしまい、市が買い取って新たなビルとなったという。この日の宴会は歯科医のM先生ご夫妻と日米交流事業の生徒を引率して来た29歳の米国人男性。

 ビールで乾杯し、この地の酒「高天」を飲む。諏訪・岡谷地方にもいろんな酒はあるが、F先生もアタシもこの「高天」が好みである。しかし、米国人と何とか話をしようとして会話をあらかじめ頭の中で組み立ててばかりいるので、ちっとも酔わない。それでも何とか会話が通じるというのはうれしいもんだ。

 二次会はF先生と二人で「紀文寿司」へ。この店もずい分通っている。このビルに入る前からだから、25年以上になるはずだ。しかし、いい客ではない。大体いつもヘベレケで店を訪れて、酒は呑むけれども鮨の注文はしない。その内、二人ともロレツがあやしくなって来たのでホテルFへ。

 14日はゴルフ、塩嶺カントリークラブ。ここにも20回以上は来ているだろう。ホテルFから車で15分というのだから、東京の人間には実に羨ましい。それに標高1000メートルほどあるので涼しいのだ。きょうのメンバーは歯科医のT先生とF歯科医院の受付のご婦人。昼休憩が1時間半ほどあるのでここでも宴会。料理だくさんなので、仕上げにサンドイッチ2人前注文して、4人で分け合う。ここのキムチはおすすめ。

 夜はホテル岡谷前の「太助」という料理屋へ。座敷は同窓会らしく賑やかである。ここの親父さんのSさんと受付嬢が加わっての宴会。馬刺し、鮑、焼秋刀魚をいただく。Sさんとは明日一緒にプレーする。この店の後、そのまますぐ目の前の中華「龍宝」へ。この店もおいしい。アタシは腹いっぱいなのにF先生、餃子、スープ、焼そば、タンメン、それに仕上げと称してカツ丼まで注文する。これじゃあ、先生、メタボになるはずだわ。

 15日も早朝からゴルフ。昨夜のSさんと3人でまわる。この日も休憩1時間以上あるので昼宴会。そして夜はメインの諏訪湖の湖上花火大会。二十数年前は毎年のように来ていたもので、カミさんと一緒になる直前にも来ている。今回はF先生のやはり同業のO先生の湖畔のマンションから。いやあすごい。すぐ目の前が諏訪湖なのだ。

 7時に始まるというのに4時から飲み始める。ここでも高天。特に夏限定酒のうまさは格別。のど越しスッキリさわやかだ。6時55分、花火開始。腹に響く音と風圧の迫力に圧倒される。特に花火が筒を離れる瞬間から上がるまですべて見られるというのがいい。高天を呑みながらの花火は最高である。二尺玉(約60センチ)も久々に観ることが出来た。O先生とそのご家族に感謝。

 花火が終わっても近辺の混雑がひどいので、11時過ぎまでチビチビ飲んで時間をつぶす。そして最後に先月仕事で行った波田のスイカがあるというのでご馳走になり、夜11時半、ようやくガラガラになった電車でご帰還。
 いやあ、3日間、よく飲み、よく遊んだ。おそらく、体重もさぞかし増えてしまったことだろう。


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 昨年は名称を「感謝祭」としたのだが、今年はまた本来の「円朝まつり」に戻った。「円朝まつり」という名称は元々、地元の方々が以前から行なっていたイベント名で、円楽党の全生庵での落語会もその中の目玉として行なわれてきたものだ。それに対し、我々が遠慮して「感謝祭」とでもした方がいいんじゃないの、と考えたんだが、どうやら「そんなに気を遣うことはないよ。みんな仲良く円朝まつりでいいんじゃないの」という地元の方々のご好意で元通りの「円朝まつり」となった次第。

 8時10分前に自転車で家を出て、途中コンビニでおにぎりを買って全生庵に8時20分に到着。宅配便の大きな荷物2個を前座さんに本堂から出店の所まで運んでもらう。今年は隣のブースに本部のガイドブック販売所があり、そこに前座が詰めているのでアゴで使ってしまったわけ。

 例年通りのちんちろりんの店。品物をいつもの通りに並べ、準備が完了して9時半になっておにぎりを食べようと、店の後の石の上に置いといたおにぎりを開けてみてビックリ。小さなアリが無数、おにぎりの表面にへばりついている。密封してあるので大丈夫だと思っていたアタシが甘かった。わずかなスキをついてもぐりこんだのである。「饅頭恐い」みたいにゴマだと思って食べちまえばいいんだろうが、そんな勇気は持ち合わせていない。

 9時55分開場。どっとお客さんがなだれ込んで来る。毎年の常連さんの一人が早速来店。この人、不思議な人で普通はちんちろりん一回500円なので1回とか2回とか言って金を先に置くのだが、この常連さんは自分の欲しい品物を先に選んで手にしてから勝手に始めてしまう。そして、自分の希望する品物の「出目」が出るまで何回でもやって、後から何回分とか言って金を払うのである。いやあ、いろんな人がいるもんですなあ。ちんちろりんが終わってから「何回やりました?」と訊かれてもアタシもただただ圧倒されて、ボンヤリしてしまって何回やったか分からない。お客さんの良心に従うしかありませんよ。

 今年はありがたいことに例年よりも涼しかった。30日ぶりに30度を少し下回ったようである。そんな中、去年と数年前の「円朝まつり」のアタシを撮った写真を別々のお客さんからそれぞれ頂戴した。「円朝まつり」でしかお逢い出来ない「円朝まつり」つながりのお客さんなのだが、ここ数年来忘れずにいて下さって、また、クソ暑い中、わざわざ会場まで足を運んで来て下さる。こんなありがたいことはありませんよ。こういうお客様があればこそ、暑くともまた来年もやろうという気になるんですよ。まったく、お客様は神様そのものであります。01e876fa.jpg

 8月7日、8日の両日、再現ドラマの収録があった。
 番組名は「有名人壮絶介護日記 なべおさみ篇」。アタシはハナ肇さんの役。なべさんが渡辺プロに入って、初めて付き人になった人である。ロケ場所は赤羽病院スタジオ。

 今回のハナさんの役は晩年、肝臓がんで入院し、なべさんにその介護の手助けをしてもらうというモノ。アタシはほとんどがベッドでのシーンなので、服装こそパジャマを何度も着替えたが、ただ横になっているだけなので、待ち時間よりも本番の方がはるかに身体は楽。これでセリフがなければ、こんなありがたいことはない。(笑) ただ、7日の最大の難関は「スターダスト」を歌わなければならないことである。

 実は先日、赤坂の事務所でこの番組のオーディションがあり、その時にかつての名番組「シャボン玉ホリデー」でのエンディングの「スターダスト」を歌えますかと聞かれ、アタシはハミングでもすればいいんだろう位に思ったので、「歌えます」と簡単に答えてしまったのだ。
 
 ところが、当日朝、7時半にスタジオ入りして最初に言われたのが、ザ・ピーナッツのCDを聴いて「スターダスト」を完全に歌えるようにして下さいとのこと。それも原詩である。それに台本を手にして驚いた。ハナさんが最期のシーンで「スターダスト」をベッドで歌うとしてあるのだ。これはどうあってもやらないわけにはいかない。しかし、アタシには無理な相談である。歌えるはずがない。そこでズルを承知で、ディレクターに「シャボン玉ホリデー」で使われていたのは「Biside tha garden wall~」からの部分なのでそこから覚えればいいのでは、と尋ねるといとも簡単にOKが出た。

 ところがところがである。これが何度聴いても全く頭に入らない。もう仕方ない。ここはカンペを使うしかない。ADに頼んで、カンペを使うから紙を用意してくれと頼んだら、持ってきたのが弁当のフタをばらしたもの。もう何でもいい。マジックでカタカナ書きしたカンペが完成。

 いよいよ夜10時すぎ、本番時に病院の天井に張ってもらったカンペを見て見舞い客の前で熱唱し、台本どおりの大喝采を受けた。この後、遅い弁当をいただいて午後11時10分終了。


 翌8日、この日は10時集合の予定であったが、前日の取り残しがあったので、1時間早く9時集合となった。場所は同じ赤羽のスタジオ。この仕事を始めてから知ったことなのだが、都内にはいろんなスタジオがある。昭和20~30年代の家具や調度品を揃えた古い家やら、外も内もコンクリート打ちっぱなしのどうみても工事途中で止まってしまった建物など。今回のスタジオは病院仕様のもので、建物の中は受付からすべて病院そのままである。

 この日の最初のシーンはハナさんが自宅で吐血をする場面。このスタジオの3階の和室を使うことになったのだが、この部屋のエアコンが全くきかず、表の方が涼しいくらい。布団から起き上がってゴホゴホやるだけで吐血のシーンはなし。どうやらその部分はADがやったらしい。

 その後、若き日のなべさんを叱るシーンでは、そのADがなべさん役をも努めた。このAD、この仕事を始めてまだ1週間だという21歳。「芸能界は甘くない。もう少し、人の身になって考えろ」などコンコンと説教。その小言が番組制作会社と通ずるところがあったらしく、スタッフはずっと笑いをこらえていた。

 それからはハナさんの容態に合わせて顔を蒼白にしたり、黄疸で黄色にしたりと、いろんな顔面色となる。以前、あるメークさんから「顔に何か塗られるの嫌いなんでしょう」と言われたことがあったので(どうやら表情で分かるらしい)、以後はそう言われないように気をつけている。

 さて、この日の最大の見せ場は病院での吐血シーン。時間が押せ押せになって、結局始まったのは午後11時過ぎ。血糊をコップ半分ほど口に含んだが、なぜかオエーッとなりそうになる。「早くスタートの声をかけろ」と心の中で叫ぶ。その結果は無事、一発OK。実は一発OKでなかったらどうしようかとその心配ばかりしていた。スッタモンダですべて終わったのは午前0時少し前。後半のベッドでのシーンでは少しうつらうつらしていた。それにしても2日間でロケ弁を4個も食べたというのは初めてだ。
 
 もうすぐ旧盆、ハナ肇さんの役が廻って来たのも植木等さんのお引き合わせかもしれない。以上の模様は9月3日の夜、TBS系列「水曜スペシャル」で放映される予定である。d0f3e380.jpg

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