2009年03月

 江戸川の手打ちそばの店「ますや」さんでの2回目の落語会。午後六時開演でアタシが落語を二席申し上げて、その後宴会となる。

 きょうの料理はホタルイカ辛子酢味噌、うぐいす豆腐(上ににこごりがかかっている)、筍の木の芽和え(山椒の香りがなんともいい)の三種盛り。天ぷらはタラの芽、ふきのとう、こごみ、行者にんにく。そして、この日出された蕎麦はあざやかな緑色をしている。何の緑かと思ったらほうれん草だそうだ。

 前回は何と真っ黒な蕎麦が出てきた。この黒は何かと思ったらナント「炭」なんだそうだ。とにかく、この店は蕎麦打ちのソバリエの方々が集まるのでいろんな蕎麦を試作したり考案したり、試行錯誤を繰り返しているようだ。

 酒は八海山を冷やで頂戴したんだが、最後にデザートとして桜のアイスクリームが出てきた。桜の葉をあしらった塩味のアイスだ。これがさっぱりしていておいしい。どうやらアイスクリームにまで気をつかっているようだ。

 肝心の落語の方だが、きょうが2回目なのだが、どうももう一つお客さんのノリが良くない。どうしてだろう。今回はテーブルの配置を変えて、正面に椅子がくるように並べ換えてみたんだが、それでもドッと笑いが返って来ない。落語より蕎麦の方に気がいっていて、集中できないのだろうか。蕎麦も酒も申し分ないだけに、どうにもスッキリしない。
 

 

 
 

 3月下席の昼席は池袋演芸場で新作落語の特別興行を行なっている。そして、きょうはアタシがトリで「新かつぎや]を演じた。作者の奥方がわざわざお見えになっていて、終演後、楽屋に尋ねて来て和菓子を頂戴した。いやあ、恐縮。

 その後、有楽町のニッポン放送に赴き、「栗村智の明日からエコライフ」という番組の収録。本番まで時間があるというので、江戸時代のエコライフの本を読んだり「環境落語」をさらったりする。実は栗村さん、大の落語ファン、というより噺家になりたかったという位の落語通。実際、小さん師匠に弟子入りを志願したらしい。

 夜7時過ぎから収録が始まり、とりあえずは「環境落語」のサワリを一席。3分位と聞いていたので、3分くらい経ってから横目でディレクターの方をチラッ、チラッと見るのだが、なかなかOKが出ぬまま、5分間ほどしゃべりまくる。その後、師匠の話やら、アタシの前座時代の話に入る。とにかく栗村さんはアタシの前座時代を知っているという程の落語通なので、話に花が咲きすぎる。

 江戸時代は完全循環エコ社会だったという話から現在のエコの話まで、結構、話がはずんだ。とにかく江戸時代はゴミが出ないような仕組みになっていて、ゴミのようなものがあると誰かが処理したり、拾ったりするような社会になっていたんだ。そんなこんなで小1時間話し込んで終了。

 栗村さん、落語ファンではあるが、良くありがちな個々人の評価などは一切なさらず、誠に好人物である。個人的にも話をしてみたくなる魅力のある方だ。30日、午後9時からの放送が楽しみである。


 

 毎月第4水曜日に行なわれている松丘亭寄席が300回を迎え、その記念の会が22日(日)午後2時から開かれた。300回ということは丸25年である。会場はいつも通り西武多摩川線「多磨」駅から歩いて6分の永福寺、いつも使っている階上の広間である。

 メンバーは神田愛山、柳家蝠丸、瀧川鯉昇、三遊亭右左喜そしてアタシの五人で毎月交替でトリを勤める。いつもは木戸銭が500円以上としてあるが、きょうは豪華宴会付きで3000円である。

 何しろ毎月なので、きょうはこの出し物しか出来ないということも多く、前座が上がるときに「何やるの?」と訊くことも多い。この日のアタシもそのクチで前座が「転失気」をやるというので、安心して「つる」をやらせてもらった。そして記念の会ということもあり、特別に「かっぽれ」を踊らせてもらった。とにかく高座から落ちなくて良かった。落伍者はイケマセン。

 終演後、我々が持ち寄ったグッズの販売が行なわれ、好評を博した。ちなみにアタシが持参したのは今年こさえた自分の扇子とTシャツ、そして昨日から披露目が始まった新三平の扇子である。売り上げはプールされ年末に配当される予定だ。

 宴会場は階下のいつも寄席をやっている会場。お客さんは80名を越したという。でも来月になるとこの半分も来ないんだよなあ。そして正直なお客さんがいて木戸銭500円以上としてあるもんだから、ホントに500円しか入れない方々が結構いらっしゃるんですよ。全く困ったもんだ。ホントは1000円以上にしたいんだけど、御住職が反対してるらしい。じゃあ、しょうがないか。

 宴会終了後、常連客のEさんに誘われて、いつもの「より道]が休みなので近くのカラオケスナックへと向かった。しかし後続部隊は誰も来ず、2人で歌いまくるしかなかった。お蔭で電車は最終、午前様となってしまった。Eさん、どうもご馳走さまでした。そして又、来月のお越しをお待ち申し上げております。

 

 

 いっ平改め二代目林家三平襲名披露が帝国ホテルで行なわれた。午後6時開宴。時間に合わせて5時40分にホテル入り。コートを預け、会場に向かうとお祝いの生花がズラッと両側に並ぶ。受付で祝儀を渡す。海老名家には祝儀袋を使わずゲンナマのまま渡した方が事件が起こらないのだが、三平襲名ではそうもいかないだろう。(中味は税務署には10万円と申告するが、ホントはそんなに入ってない。)

 迎賓に時間がかかり、開宴は7時。出席者は850名。司会は元NHKアナの大塚さん。桂歌丸落語芸術協会会長、安倍元総理、団十郎丈らの挨拶があり鏡開き。乾杯に続きすぐに恒例の手締めとなり、食事が始まったのは7時半だ。

 いつものことながら、帝国ホテルはドリンクの注文をしてから出てくるまでに時間がかかる。決して定刻ホテルではない。そして、ウイスキーのオンザロックを頼んでも、これ又いつも通りチェイサ-を持って来ない。飲み物がなかなか出て来ないので同テーブルの菊丸もイライラを隠さない。係の女性に小言を言っていた。

 メインステージは正面なのだが、マスコミの関心はもっぱら上手下座の海老名家のテーブルである。カメラの放列はそっちに釘付けだ。長女美どりと次女泰葉の確執がどうなるのか、そして小朝師は姿を現わすのか、などなど。結局、金髪野郎は現れず、金髪はデーブ・スペクターだけ。

 何しろ、この人数だから料理の出はどうしても遅れ気味。裏方の方は恐らく戦場のような騒ぎだったに違いない。コーヒーとプチ菓子が出揃う前に大締めとなってしまった。時計を見たら9時半だった。

 お開きになってからも見送りに時間がかかるので、しばし席に着いていたら、左円馬師匠がアタシの隣りに来て、世間話。目の前にある誰のか分からないワインを飲んでいる。しばし話し込んで席を立ったのは10時を過ぎていた。えらい騒ぎの披露目であったが、二代目が本当に大変になるのはこれからだ。ホント、身体だけは大事にして下さい。引き物は御盆、長崎の蒲鉾、京都の干菓子、評判堂のおかきであった。
 三平襲名

 きょうはゴルフに行くことになっていた。コースはレイク相模カントリークラブ。1ヶ月少し前にコースのゴンドラが滑り落ちて、お客とキャデイが怪我をしたゴルフ場である。メンバーは毎月第4水曜日に行なっている、多磨のお寺の勉強会に来て下さるお客さんの金物屋の旦那のMさんである。旦那といってもアタシより年は若い。
 
 実は昨日の夕方から雨が降り出して、やがて雪に変わった。浅草演芸ホールの夜席に行くと楽屋には志ん駒師匠がいらして、明日ゴルフだと告げると冷ややかな笑いが返って来た。そりゃあ、そうだよなあ。天気予報では都心でも積もるようなことを言っている。

 帰宅して、仕方なしに準備をして天気予報を見ると、昼の予報より少しばかり良くなっていて、東京あたりは夜半に雪が上がり、明日は曇りという予報だ。こりゃあ、大丈夫そうだ。俄然やる気になった。Mさんから電話があって、明日はたぶん大丈夫だと思うけど、ゴルフ場は朝6時20分にオープンか、クローズか判断するとのこと。

 5時半に起き、支度をして家を出た。地面は濡れているが、雨も雪もすっかり上がっている。ありがてェ。バッグを担いで、都営新宿線の森下から調布まで向かうのだが、電車は結構混んでいる。小川町の手前でMさんから電話。ゴルフ場に電話したかというので「いえ、電話してません」。神保町の手前でまた電話が来て「今、電話したら、クローズだってさ。ごめんね、また設定しますよ」という返事。ガ~ン。

 バッグを担いでトボトボと帰宅。
 「あら、どうしたの?」とカミさん。
 「クローズだってさ」
 「あっそう、じゃ、昼ごはんはレトルトカレーね」もう、何でもいいよ。

 おととい、バッグを送ろうとクロネコに行ったら、中2日ないと受け付けられないという。今思えば、バッグを送らなかっただけ良しとするか。
 ああ、一日暇になっちまった。よーし、確定申告の書類を仕上げるとするか。アッ、そうだ。きょうと明日の寄席の出番を変わって下さったK師匠にお詫び申し上げます。申し訳ありません。
 
 

 

 

 

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