2009年06月

 26日と28日の2日間、東宝撮影所に缶詰になってアフレコをしてきた。映画は松本清張原作、犬童一心監督作品の「ゼロの焦点」である。そういえば、今年は清張生誕100年だそうだ。

 このアフレコは業界で言う「ガヤ録り」というもので、画面の主役以外の周りの人間の声や音を録音するもので、ガヤガヤした音を録音することから、こう呼ばれている。今回は男性8名、女性5名ほどの参加である。

 あらかじめ金沢弁で台詞を読んだCDを送られて来ていたのだが、26日の午前中はひたすら金沢弁の練習をさせられる。若い女の子が遣う語尾を延ばすような特徴があるようだ。食堂で昼食後、いよいよ本番。

 スタジオでシーンごとに台詞が割り当てられ、放言指導を受けながら進めていく。そして最終的に監督のチェックを受ける。この繰り返し。26日は9時から夜10時40分まで、28日は10時から夜6時40分までかかって無事終了。

 犬童監督といえば、4年前に「黄色い涙」という映画でアタシがおでん屋のオヤジ役で出た時、お世話になった方である。いつも思うのだが、とにかく映画監督という人種は絶対に妥協を許さない。自分の納得がいかないうちは平気で何度でも演技をさせる。どの監督でもそうである。

 さて、その4年前の映画の仕事を終えて帰宅して、カミサンと娘に映画で「嵐」というグループと一緒だったと言ったら、「エッ、あの嵐と!」と飛び上がって驚いていた。その当時アタシは嵐というグループをまるっきり知らなかったのである。

 

 

 落語協会の定例総会が25日行なわれた。落語協会が何で総会を?と思われるかも知れないが、社団法人は総会を行なわなければいけないんだそうだ。ただ、去年12月のの法改正で社団法人は現在、特例民法法人と呼ばれているそうだ。

 午前11時、浅草ビューホテル4Fの飛翔の間。本来の総会の目的である決算報告と予算案の承認に始まり、今回は前記の法人を5年以内に公益にするか一般にするかの決断を迫られているという問題が持ち上がった。

 まあ、税金の優遇措置の問題だとは思うんだが、税理士さんからメリット、デメリットのご説明いただいたが、どうもよく分からない。協会としては公益社団法人を目指すという方向性だけは示された。

 モヤモヤしたまんま、元九郎先生、琴調先生、歌橘師匠と貞千代へ。ビールなどを飲みながらの世間話。そして、どうもこのごろ色物の○○に出逢わないと思っていたら、どうやら●●●と出来ちまって、子供まで出来たらしく、先月、出産したんだそうだ。

 伏字はアタシは大嫌いなので極力避けてきたが、今回だけは何かとはばかられるのでなにとぞご容赦願いたい。(でも、99里のイージマからは問い合わせが来るだろうな。何しろ、●●●はイージマの高校の後輩の噺家の一門のヤツだからな。)

 だけど可哀相なのは●●●の先の年上のかみさんだろう。亭主の不倫のためにいやいや離婚させられたんだから。それに●●●じゃあ、ろくな慰謝料も取れなかっただろうし。だけど、今まで○○の相手が何人もいて、果たして誰が本命なのかはっきりしなかったそうだから、これで責任者が判明して、ホッと一安心したヤツが何人もいるんだそうだ。

 こんぴら寄席が22日(月)行なわれた。いつもは二つ目と二席ずつなのだが、今回は65回記念ということでアタシの独演となった。そして場所も町内の香取鮨の3階の広間に移し、いつもお世話になっている方々20名にお集まりいただいた。

 町会長である和菓子屋「翠江堂」の矢澤さんの挨拶に続いてアタシが「鰻の幇間」を45分ほど。相変わらずの良きお客様方である。その後は2階へ場所を移して祝宴となった。2階は椅子席となっている。最近はどこも椅子席の場が多くなった。歳をとると圧倒的に椅子席の方がいいというお客さんが増えてきた。落語会もしかりである。

 生ウニやアユ、カサゴの煮つけなどをぬるめの日本酒とおいしくいただく。最後の握りは食べられず、矢澤さんの分とともにおみやとあいなった。1時間半ほどでお開き。矢澤さんに誘われるままに銀座の「あまの」へ。

 この店は和菓子屋さんの集まりなどにもよく使われているようで、アタシも最近は歌舞伎座の帰りに寄るようになった店である。最近やっと、店のママさんや女の子とも馴染みになった。矢澤さんは明朝5時半起きだというので、いつもより早めに店を後にした。

 

 6月20日の午後はあざみ野にある介護つき有料老人ホーム、そして夜は江戸川の手打ちそば「ますや」での落語会である。

 昼の老人ホームはかなりハイクラスな施設で、玄関はシティーホテルの入口のよう。駒次と駅で待ち合わせたのだが、アタシが居眠りをして一つ手前の多摩プラーザで下りてしまい、すっかり迷惑をかけてしまった。反省。

 ホールに40名ほどのごく上品な方々をお相手に駒次「子褒め」「半分垢」、アタシ「しわいや」「新聞記事」の二席ずつ。大いに楽しんでいただいた。そこから移動に1時間15分ほど。

 「ますや寄席」は3回目なのだが、過去2回は今ひとつ盛り上がりに欠けていた。ところが今回高座に上がって驚いた。前回まではほとんど男ばかりだったのが今回は女性の方が圧倒的に多い。どうしたことだろう。後で分かったことだが、今回は店のお嫁さんが動員をかけたらしい。

 一席目「新聞記事」、以前とはまるで違う陽気な反応。おばさんパワー全快だ。二席目は予定を変更して「替わり目」、これも大正解。その後の宴会でもウーロン茶を飲んで大盛り上がり。中にこんぴら寄席のお客さんまでいて、またまたびっくり。

 きょうのメニュー、揚げ茄子の梅肉ソース、もろこし豆腐、ズッキーニ鴨肉射込みの三種盛り。翡翠冬瓜のあんかけ、盛りそば、うどん、南瓜のプリン。アタシは八海山をチビチビやって、いい心持ち。打ち上げ終わって、ご陽気だった5、6人のお嬢さん方と一緒に電車に乗り込んだ。

 6月18日、チャリティー落語会が江戸東京博物館ホールで行なわれた。家のすぐ近所の江島杉山神社を創設した杉山和一検校が来年、生誕400年を迎えるのを記念して資料館を建てるための資金集めである。

 昼のうちから仕込みをして午後六時開演。前座はぽっぽ。このぽっぽ、何しろケータイの待ち受け画面が玉の輔の局部だという、実に変なヤツ。楽屋でそのことを尋ねたら、ただニヤニヤするばかり。

 「子褒め」ぽっぽ、「しわいや」時蔵、「相撲甚句」千歳相撲甚句会、「読書の時間」正蔵、「江戸の唄」さこみちよ、「苦心の管鍼」時蔵という番組。視覚障害の方も80名ほどお出でいただいたそうだ。何よりも満席になって一安心した。

 打ち上げはちゃんこの江戸沢総本店。受付をしてくれたかみさんと長女、かみさんの友達のオミちゃん夫妻、長女の友人の二人の計7人。暑い時のちゃんこはどうかとも思ったが、みんなおいしそうに食べて下さった。

 その後、セブンイレブンで買い物し、帰途の途中、事件は起こった。急にかみさんが左足が攣って痛くて歩けないとしゃがみ込んでしまった。あまりに痛がるので救急車を呼ぶことに。

 7分ほどで到着。車内でいろいろ問診を受け、山田病院へ。救急車に乗るのはおふくろの時以来だから15年ぶり位か。かみさんはストレッチャーで処置室に運ばれて足を屈伸したりするうちに何とか痛みも取れたようだ。薬の処方をしてもらってタクシーで帰宅。すっかり酔いもさめちまった。

 でも大したことがなくてホント良かった。「厩火事」じゃないけど、カミサンに患われたら大変だ。結局、原因はわからずじまい。何にしてもまずは一安心。きょうは一安心が2回。二安心だ。

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