2011年01月

 27日、映画「落語物語」の特別試写会が下北沢のタウンホールで行なわれた。実は去年、五反田のイマジカで一度見ているのだが、スクリーンが小さいのと観客が仲間だらけなので、キャーキャーパーパーうるさくて落ち着いて見られなかったのである。

 下北沢に来るのは何年ぶりだろうか。おそらく、20年以上来ていないだろう。芝居を見ることもないし、知り合いの店もない。でも、駅は相変わらずうす汚なくて分かりづらい。

 入口の受付近くに監督の林家しん平がいた。「兄さん、前に見たじゃないの」と言われたが、「また改めて勉強させて下さい」と答える。せり上がりの客席なので見降ろす形になるが、後方に座ったので見づらい。

 不思議なことに前回見た時とは印象がまるで違った。何故だろう。前回より感銘を受ける場面が多かった。ごく普通の日常的なことを扱った作品なので、すんなり素直に見られるのだが、夫婦愛、子弟愛というものをより強く感じた。

 息を引き取る際の田畑智子の美しさ、馬石演じる噺家の末路の哀れさ、それに若手の女芸人役のぽッぽの演技も見事だ。だけど、アタシのシバイは滑舌が良くない。あわてて喋りすぎている。

 終わってから出口に刑事役で出ていた新井康弘さんと彼が出演していたテレビドラマ「大好き五つ子」の作者で落語作家のN氏がいた。N氏とはアタシが彼の作品「娘の結婚」という新作落語をやってからの知り合いである。

 そして、近所の居酒屋で一杯やることになったが、芝居、映画、ドラマのシナリオ、裏話など、その道のプロの話を聞くことが出来て良かった。「落語物語」は東劇で3月12日(土)からロードショーされる。

 居酒屋とかけて、桜の花ととく。そのココロはきょうもサケ、明日もサケ、なんちゃって。

 千葉の自治会からの依頼で新春寄席に行って来た。場所は自治会館で普段は会議や集会に使っているようだ。30畳ほどの部屋に高座がしつらえてあり、金屏風まで設置されている。これらの備品は近くのホテルからの借り物だそうだ。それにしても立派なものである。

 マジックの有紀天香をはさんでアタシが二席。天香さんには3日間お付き合いを頂き恐縮である。一席目は「師匠と弟子」二席目は「替り目」であった。マジックでは鳩出しをやったので、その鳩が会場の一番後まで飛んで行ったため、アタシが捕まえて楽屋まで運んだやった。ことのほかおとなしい。

 あらかじめ小さなお子さんが入場する可能性があったので、小学生低学年はお断り願うように依頼しておいた。そのお陰で客席も落ち着いていて申し分なかった。それでも途中で何が起こるか分からないので心配をしていたが、育ちがいいのか、しつけがいいのか、よく聴いてくれていたので助かった。

 時には身体を左右に揺らす子がいたのだが、隣にいたお母さんが身体を押さえて止めていた。今時見上げた母親である。アタシも最後まで噺に集中して語ることが出来た。当然ながら、お客さんにも大受けだった。

 帰りにお土産をたくさんいただいた中にイワシがあると聞いていたので、胡麻和えかといやな予感がしたが、ただの目刺しだったので安心をした。そして、きょう食べてみたのだが、実においしかった。さすが九十九里。ぜひ来年もやってほしい寄席である。

 今回の会場とかけて、晴海ふ頭ととく。そのココロはなんてったってボウソウのメッカです。

 毎年恒例となった下町のコープ自治会の新春お笑い寄席があった。早いもんで今年で5回目となる。今回は前座なしで色物のマジックをはさんでアタシが二席やることにした。マジックは前夜に続いて有紀天香である。

 家を出かけようとしたら、その天香から電話があって腰が痛いので、待ち合わせ場所には行かず、タクシーで現場に直接駈けつけるという。大丈夫なんだろうか。まさか、椅子に座ったまんまやるなんてことにならなきゃあいいが…。

 両国駅からバスで現場に向かう。いつも通りのメンバーが高座作りをしてくれていた。最初の頃は高座がしっかり出来てなくて、ずり落ちそうになって、ホントの落語者になる所だった。ハハハ。

 ここ数年は念押ししたため、高座はしっかり出来ている。それに初めは紙切りを頼んだため、子供がワンサカ押しかけて酷い目にあった。というのも一番前に畳を敷いて、そこに子供たちがたむろしていて、紙切りが終わると寝そべったり、ゴロゴロしていて落ち着きゃあしない。とても噺なんかやっちゃいられない。

 だから、その後は畳をやめ、子供もナシということにしてもらった。そのお陰で今ではいい雰囲気になっている。でもその分、客の数は年々減っているような気がする。みんな遠慮して来ないのか、それとも高齢者ばかりで出てくるのが億劫なのだろうか。

 天香の腰は大したことはなく、無事終わってから、その場で打ち上げとなった。すると長女から電話があって、歌舞伎の切符が余ったので、すぐ来いとのこと。そんなにすぐには行かれない。一時間半ほど役員さんたちに付きあってから、演舞場に向かった。一階席の前から6番目、こんないい席で芝居を見るのは初めてだ。

 歌舞伎初芝居とかけて、我が子の出産に立ち会った人ととく。そのココロはとにかくカンゲキしました。

 今年初めての第92回独演会が21日終了した。今年も日暮里のサニーホールで年4回行なうことにしている。毎年1月の会は新年会等の行事と重なって、お客さんの入りもいまいちである。今回も61名の入りだった。新潟村上の落研後輩のRからは卓上生花が届いたので、ありがたく入口受付に飾らせていただいた。

 この日は新作の「吸血鬼」と古典の「茶の湯」の2席となった。二つ目は立川吉幸で「蜘蛛駕籠」、色物はマジックの有紀天香である。午後9時過ぎ終了。駅前のいつもの宴会会場にて打ち上げ。

 この打ち上げでは参加人数を予想するのがむずかしい。当日までに一人一人参加、不参加を確認するのが不可能だからだ。今回は参加数は少ないとみて17名としたが、実際には15名となった。まあ、想定内か。

 23時半に散会。いつもの絵師のM氏とIと吉幸の4名で浅草の、これもいつものスナックWまで車を飛ばす。先日の句会の際にも寄ろうと思ったのだが、あまりにも時間が遅く、店に入れなかった。そのリベンジである。そして、いつものように3時まで。

 最近の独演会ではこのブログの影響か、お客様が持ってきて下さる土産のお菓子も甘いものでなく、煎餅が増えてきて家族も大喜びである。特に後輩のKは西新井大師の名物せんべいを持ってきてくれる。この日は当人は来なかったのだが、わざわざカミサンが持ってきてくれた。ありがとう、ご馳走様です。

 

 新春恒例の天心聖教・新春福笑が16日、本駒込の天心聖教本部ファミリーホールで行なわれた。今回は夜ではなく、午後2時からの開演である。この方が遠方からお出でになる方には楽であろう。

 出演者は去年とほぼ同じで、今回のトリは神田紫である。ファミリーホールはほぼ満員である。アタシが高座に上がると上手のおばさん軍団から「トキちゃーん!」という黄色い声(ちょっと無理があるかな)が上がる。こっちもピースサインで応える。

 師匠の思い出話から「しわいや」に入る。客席中央から教主様の朗らかな笑い声がホール全体にこだまする。教主様は今年も元気だ。そして、一般のお客様もそれに負けじと大笑いで高座に呼応する。寄席では味わえないような迫力ある笑いだ。

 そういえば楽屋でマジックの上口龍生に出逢う。9年ぶりである。彼とはにっぽん丸に乗ってグァム・サイパンへ向かう船室で相部屋だった。その時彼は乗り込んだ時から悪質の風邪にかかっていて、ずっとゴホンゴホンやって、来る日も来る日もベッドに横になっていた。そして、仕事の時だけ起きだすという毎日。

 アタシは移されては大変なので、就寝時間のほかはほとんど他のキャビンで過ごしていた。まあ、元気で再会出来て幸いだ。彼に断って、客席から舞台を見せて頂いた。この日は正月らしく和妻で勝負していた。

 4時過ぎに無事終了。Aさんらと池袋の芸術劇場にある宴会場に向かう。カミサンが部長をしている婦人部の新年会である。80名ほどの中で男はアタシとAさんだけである。カミサンが「字ばなし」を持参したので、カミサンに代わってアタシが披露する。大喝さいだった。

 「字ばなし」とかけて、アタシととく。そのココロはとってもカンジがいいんです。ヒヒヒ。

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