2019年01月

 山形法人会からの依頼で落語と講演をして来た。福島を過ぎると雪は降っていないのだが、あたりは真っ白になる。そして、米沢あたりに来ると雪がチラチラ舞っている。しかし、山形は降ってはいない。一駅ごとにあたりの様子は全く違っている。

 職員の方が駅に迎えに出て下さったので駅直結のホテルに直行。自分の部屋に荷物を置いて会場の下見。CDを流すタイミング、セッティングを確認し、マイクテスト。部屋で着替えをしていざ会場へ。落語を聴くには不向きだとアタシは思っているスクールタイプの並び方である。

 この日、初めて試みる「18歳と81歳の違い」をやってみる。どんな反応があるのか探りながらやってみたが、まずまずの手ごたえ。結構いけそうだ。これは2年前に千葉・東金の料理屋のトイレで見つけて、これは使えそうだと思ったていのだが、そのままにしていたもの。

 その後、笑いと健康についてひとくさりしてから、「師匠と弟子」に入り、その後、古典落語を一席。90分の講演と落語を無事終えた。その後に懇親会となったが、この日はホテルの部屋を取ってもらっていたので、最後まで付き合うことになった。

 隣の席に税務署長がお座りになったので、マイナンバーカードのことやら税務調査のことについて質問してみたのだが、どうもよく分からない、というより一般論に終始して一方通行の感じ。そのうえ、こちらの知識が乏しいので突っ込んでの質問が出来ず、残念。

 翌日は雪も大したことがなかったので、霞城公園に行き、山形城の周りをぐるっと散策。人もほとんどおらず、ただただひたすら歩いて駅へ。東京に帰った翌日届いた山形米の「つや姫」、これがことのほかおいしい。いい仕事をさせていただきました。

 

 東洋大学の文化講演会があった。今回も白山校舎の井上円了ホールである。ここ数年、ほぼ毎年行われていて、主に学生を中心に授業の一環として開かれているようである。今回はアタシの方にお声が掛からず、アタシから一般のお客さんをお呼びすることはなかった。

 しかし、1年を通して様々な催しが行われていて、毎回のようにおいでになる方がおありのようで、明らかにそのような方々が結構おいでになった。いずれにしろ、お客様は多い方が良いわけで会場の8割ほどが埋まっていたのはありがたいことだ。

 今回の出演者は林家あんこ、神田山緑とアタシである。どういう理由でそうなったのかは不明だが、山緑さんがトップでその後にあんこ、アタシという順番になっていた。恐らく、山緑さんが急ぐので先に上がって、次の仕事に向かうものと思っていたのだが、最後まで残っていたのをみると、どうやらそうではなかったようだ。

 本来なら、あんこ、山緑、アタシという順に上がるのが普通であろうが、どう主催者が考えていたのか、今一つ分からない。そして、これも主催者の希望なのか分からないのだが、山緑さんの出し物が「四谷怪談」なのである。真冬の怪談噺というのも珍しい。

 学生相手の高座ではいつも反応が薄いので苦労してきたのだが、このところはそんなこともなくなってきた。一般のお客さんが混じっていたこともあろうが、学生の質が変わってきたのかも知れない。とにかく安心して噺を進めることが出来るようになって、こんなうれしいことはない。

 家族3人で伊豆高原に行って来た。伊豆高原というと墨田区の高原荘があったのだが、おととし建物の老朽化に伴い取り壊しとなってしまった。本来なら建て替えとなるのだろうが、今や区の財政を考えるとそんな余裕はなく、結局建て替えはかなわなかった。

 そんなわけでどうしたものかと思っていたが、中央区が管理する同じような施設があって料金も同じくらいなので、そこに行くことにした。まず熱海に出て、ここで昼食。駅前にラスカ熱海という大きな施設が出来ていて、ここで食事をすることにした。

 アタシは刺身定食を頼む。恐らく夜の食事も同じようなものが出るだろうが、刺身が食べてみたかった。やはり、おいしい。熱海から伊豆急行で約1時間、伊豆高原駅到着。迎えのバスに乗り込み、まもなく中央区の伊豆高原荘に到着。墨田区の方はスリッパに履き替えるのだが、こちらは靴のまま部屋に。

 トイレも墨田区の施設は部屋の外の共同だったが、こちらは部屋にある。やはり夜中はこれでないと困る。それにこちらはベッドだから楽だ。まずは湯につかって晩御飯。予想通りの刺身と鍋などの料理である。アタシは日本酒を飲みながらの食事。料理は多いくらい。

 翌朝はおかゆをいただいて宿を後にして徒歩20分ほどの万華鏡館へ。ここはアタシが希望して決定した所。入館料500円。自宅の前の急ごしらえのような施設。郵便ポストやら公衆電話など、いろんなものが万華鏡になっている。説明の後、暗室のような所に入って世界最大を謳う万華鏡を覗く。

 帰りの昼食もやはりラスカ熱海に寄る。浜松餃子の店があったのだが、混んでいるので、この日はラーメン店に。てんでに好きな麺をいただく。もう少し素朴な味が欲しかったのだが、仕方がない。正月からのんびりと湯につかることが出来、充実した旅となった。

 しん平宅での新年会があった。集まったのは春風亭一門から3名、金原亭が1名、三遊亭が1名、柳家が1名、ウチの一門の2つ目が2名、未亡人1名、元文部官僚1名の10名ほど。寄席を終わってから来る者など、三々五々集まっての新年会である。

 乾杯をしてから、例によって仲間の噂話からたわいのない話まで、次から次へとよくもまあ、いろんな話が酒の肴になった。メインの料理はおでん。酒は日本酒が何本か並んでいて、アタシは「寿限無」という不思議な酒を初めていただく。

 そして、いつものようにX師匠の奇行が披露される。その一門の弟子たちの災難話である。毎年のように同じ話が言の葉に上るが、面白い話は何度聞いても笑える。しかし、そんな目に遭った当人にとってはこの上ない迷惑な話である。それがまた面白くて大笑い。

 その後、しん平の新作怪獣映画が大画面に映し出される。とにかく怪獣映画だから「ギャアー」とか「グワー」とかの大音響が流れるのだが、元官僚さんは座ったまま寝ていらっしゃる。しかし、この官僚さんは映画評論家でもあるのだから面白い。

 そして、ウチの一門の2つ目による形態模写と声帯模写の披露。これは夏の寄合でも披露されたのだが、これがまた面白い。正雀、喬太郎、馬石など。我々は見逃しているのだが、普段の芸人の癖を良くとらえていて感心しきり、思わず笑いを誘う。アタシは11時半においとまをしたが、午前1時半まで宴会は続いたいう。若い人たちは元気だ。

 新しい年を迎えました。今年もお付き合いの程よろしくお願い申し上げます。アタシは初席は今年も浅草東洋館の1部11時50分の上がり。木久扇が1部のトリなので、初日くらいは顔を合わせて高座を降りるまでお付き合いをする。しかし、今年は香盤よりも1時間ほど早く上がってしまったので、その分いつもより早めに宴会場へと向かった。

 会場はいつもの浅草の旅館である。午後1時半に向かうとその旅館の社長、小団治、勢朝、のん平、せん八、それに浅草の芸者さん、幇間の米七とその弟子2人が集まっていた。弟子のうちの1人は女幇間である。だいたいいつものメンバーであるが、せん八師匠は珍しい。しかし、すぐに帰ってしまった。

 乾杯をしてから日本酒を飲みながら、落語協会のこと、箱根駅伝のこと、果ては家庭事情のことなど、次から次へと話題は尽きない。しかしながら、いつものように勢朝の仲間話は面白い。彼の話は我々が聞いていても面白いのだが、内輪の話ばかりなので高座でやっても受けない。誠に残念である。

 そんなたわいのない話をしながら、1人去り、2人去りして残ったのは小団治、のん平とアタシの3人。これも例年のことである。結局今年も9時半まで、飲んで騒いで有意義な時間を過ごした。長いこと胡坐をかいていたので、足腰がだいぶ疲労した。それでも元気で今年も頑張ろうという気概だけは3人で確認した。果たして今年はどんな年になるのだろうか。

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