カテゴリ: 寄席

 池袋演芸場の新作落語台本の会の楽日。この日は土曜日であったが、お客さんの入りは6割ほど。去年の入りに比べたら倍近いのではないだろうか。いたって反応のいいお客さんで、これも去年とは大違い。コロナのベールがすっかり取り除かれた感じである。

 その後、池袋から落語協会のある御徒町まで移動し、黒門亭へ。こちらのお客さんは8割の入り。コロナ前には常連さん、高齢者の方が結構いたのだが、ほとんどが若いお客さん。客層も大いに変わった。ここでも新作の「隣の男」をやってみたが、おおいにウケた。

 他の寄席も同様だが、コロナ前と比べると客層がだいぶ違ってきたように思う。高齢者が減り、今まで落語に接したことがないような若い方々が急速に増えて来たようだ。現在、真打の披露目中だが、その場にも多くの若いお客さんが詰めかけていることだろう。

 

 今年も新作落語台本の会が池袋演芸場で始まった。毎年、落語協会が台本を募集して11月にその発表会が行なわれ、そこで発表された過去の作品を含めた噺のすべてを披露する会である。今年もアタシは出番が3日間あり、そのうちの1日はトリを勤める。

 そのアタシの初日の出番が本日あった。客席は8割ほど埋まっていて、若い方が多かった。出し物は「隣の男」であったが、反応はきわめてよかった。例年やっている噺だが、その度に台本を少しずつ変えている。今年も少し手を加えたが、試行錯誤を繰り返している感じである。

 今年はまた新たに応募される噺に挑戦してみようと思っている。それにふさわしい作品が寄せられることを熱望している。6月末が締め切りとなっているので、我こそはと思わん方はぜひとも応募してほしい。お待ちしております。

 先日、黒門亭の新年会があった。コロナの影響でここ3年ばかり、そんな雰囲気ではなかったのだが、今月の会議があった際に提案してみたら、それじゃあ、ということで行なうことになった。会場は落語協会事務所のすぐそばの飲み屋である。

 時間通りに行ってみると小ゑん師匠のみ。そのあとに蔵之介委員長が来て、それからしばらくしてから2人が来て、総勢5人のみ。こんな淋しい新年会も珍しい。店自体もアタシらの後に若い二人連れの女性が来て、アタシらよりも早く帰って行ってしまった。

 そんなわけで以前のように「噺家さんは声が大きいですねえ」という店の苦情もなく、のびのびと宴会を楽しむことが出来た。今年の黒門亭も例年通り初席を休んだのだが、来年は何としてもやろうと委員長に要望を出した。

 初席5日目、浅草・東洋館の楽日。年が明けてから、トリの木久扇と顔を合わせていないので、この日は最後まで残ることにした。自分の高座が終わってから昼食を済ませて、カミさんに頼まれていたシューマイとあんみつの買い物に。

 浅草寺の参道は参拝客でいっぱいだ。外国人も多い。レンタルの着物を着たり、晴れ着姿の若い人も多い。あまりの多さに初詣ではあきらめて、早々に寄席の楽屋に戻る。まずは木久扇に新年の挨拶をする。その後、トイレに入ると木久扇のステッキの忘れ物。すぐに手元に届ける。

 ステッキを忘れるくらいだから、歩く時にも、それほど必要とはしていないようだ。その後、木久扇は高座で彦六の選挙の模様を1席にまとめた噺をして、楽屋を後にして帰っていった。これにて今年のアタシの初席は無事すべて終了。去年のほぼ倍のお客さんに楽しんでいただいた。

 先日、黒門亭の番頭を勤めた。ここは主に前座と番頭と受付のおばさんの3人で運営をしている。現在は定員が30名までということになっている。以前は40名までとなっていたが、正直なところ、40名となると、かなり窮屈である。

 ここ最近になって、入りがコロナ前の入場者数に戻ってきたような気がする。やっとという感がするが、毎回のように通っていた常連さんが未だに戻って来ない。何かあったのかとも思うが、確かめようがないので、一日も早く元気な姿を見せてもらいたい。
  
 この日も前座を除いて1部、2部共に4名ずつ8名の出演者があったが、そのうちの3人が合曳(あいびき)を用いていた。合曳とは携帯用の正座椅子とでもいうのだろうか、つまり、尻の下にあてがう台である。アタシも使用することがあるが、様々な種類があるようだ。

 そのうちの1人はアタシと同年であるが、あとの2人は5歳ほど若い。若いと言っても古希にはなるだろうから、正座がつらくのは仕方がないだろう。かといって無理して立ち上がって足首をねんざしてもつまらない。きっとみんな一度は経験があるはずだ。

 しかし、正座が出来なければ成り立たない職業なので、出来なくなるというのは実につらい。アタシも両足共に膝の半月板の手術をしている。まあ、先のことを考えたら、みっともないと思わずに合曳を用いた方がいいだろう。

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