カテゴリ: 勉強会

 すみだコミュニティカレッジに毎週参加している。これは区が主催しているもので、主に高齢者を対象にしていて、以前は明治青年大学という名称で行なわれていたのだが、最近変わったようだ。明治青年大学といった頃はアタシも出演する側で参加していた。

 内容は地元出身の葛飾北斎を紹介する講座やスマホ・ケータイ安全教室、俳句教室、墨田区の伝説、墨田花体操なんてものもある。まあ、高齢者が身近で感じていることや関心のあることを話題にして、やさしく講義しようというもののようだ。

 そんな中に落語もあって、アタシも若いころには毎年のように依頼されて出かけて行った。そして、名称が変わっても落語の講座はなくならず、今に引き継がれているのだ。よほど評判が良かったのか、それとも他に目新しい講座がないからなのかは分からない。

 そして、今年は円楽党のRが落語を演ずることになっていた。我々が目の前で落語を聴くのを許されるのは稽古の時だけである。何らかの理由でどうしても前で聴きたい場合には当人の許可がいる。そんなわけで、どうしようかと思ったのだが、変装してそーっと聴くことにした。

 アタシの時も1コマ2時間だったと思ったが、40分ほどを落語の解説や約束事をしゃべってから1席やり、休憩をはさんで2席やるといった組み立てにしていたと思う。しかし、Rは真面目だ。初めにちょっと解説をやり、その後3席、休憩をはさんで2席、計5席の大サービスである。

 やはり若いだけに声は通るし、体力もあるし、やりたい噺もたくさんあるんだろう。この際、稽古したい噺はみんなやっちまえいう考えだったのかも知れない。「粗忽長屋」「金明竹」などのいわゆる中ネタで大ネタはなかったが、皆さん楽しんでくれたようだ。こうして、また誰かに引き継がれていくことになるのだろう。いやあ、お疲れ様でした。

 区の広報誌にエコライフ講座「ふろしき王子に学ぶ!便利で可愛くて楽しい!ふろしき超活用術」というのがあったので、すぐに申し込んだ。担当するのは墨田区環境保全課で、いつも「環境審議会」でお世話になっている係である。

 午後2時から4時までの2時間の枠が取ってあるので、2時間も風呂敷包みだけでどうやって時間を持たせるのかと思っていたのだが、とんでもないアタシの認識違いであった。2時間たっぷりと様々な風呂敷包みに没頭させていただいた。

 指導して下さったのはふろしき王子ことY氏である。前々からこの高座を受講したかったのだが、今までチャンスがなかったので、満を持しての受講である。ハハハ。予め指定してあった1メートル四方と50センチ四方の風呂敷と1メートルの紐2本を用意して出かけた。

 出席者は定員の40名。驚いたことに男の参加者はアタシだけである。まずは、ま結びとその簡単なほどき方の指導があった。その後、買い物袋の作り方を数種、日よけ帽子など2種、帯、ウエストポーチ(ズボンをはいてベルトをしていたのはアタシだけだったので、モデルも務めた)を教わる。

 それに続いておなかポケット、巾着袋、手っ甲、エプロン、風除け、取っての伸ばし方、びん包み、ふんどし、果てはブラジャーまで、あらゆる包みを教えていただいた。いやあ、風呂敷包みがこんなに奥深いものとはちっとも知らなかった。特に日よけ帽子などは忘れた時などすぐに役立ちそうである。

 今までは「環境落語」の後に時間が残った時などに簡単なエコバッグの作り方をやることがあったが、これからはもっといろいろと紹介が出来そうだ。今後はバッグに風呂敷を入れておくことにしよう。古しきをたずねて新しきを知る、とはこのことか。

 リサイクル施設見学研修会に行ってきた。京浜急行の追浜駅に集合してバスでの移動である。参加者は経済産業省、環境省、市民団体、ボランティア団体、報道関係者、協会会員会社というお堅い団体の方々である。アタシは去年、「環境落語」をやった際にアルミ缶リサイクル協会の方と知り合い、お呼びがかかったというわけ。

 まずは横須賀リサイクルプラザへ。ここは通称アイクルと呼ばれているそうだ。語源は愛のリサイクルというような意味で、小学生の女の子が命名したそうだ。ここの建物はヨーロッパのお城風の立派な建物。リサイクル工場というと殺風景なものが多いので、そうしたくはなかったとのこと。

 ここでは除袋機や容器包装プラスチックなどの受け入れから搬出までの処理ラインを見学。ここで二重袋はしてはいけない理由を知った。二重袋というのは、ゴミなどの中身の入った小袋をいくつかまとめて大きい袋に入れることで、袋を開けるのが二重手間になるからいけないのだ。これからは気をつけよう。

 その後は横浜中華街で食事をして、午後は鶴見資源化センターへ。ここでは缶、ビン、ペットボトルの選別と資源化の工程を見学。しかし、横浜地区では東京23区と違って、缶、ビン、ペットボトルの分別収集を行なっておらず、一緒に収集しているのだ。

 理由を訊いたら、運搬コストがかかりすぎるからということだったが、果たしてそうだろうか。この3種を個別に収集した方が分別の手間を考えた場合、はるかに効率よく処理でき、運搬コスト以上の効果を発揮する気がしてならない。何か他の理由があるに違いない。

 最後にキリンビール横浜工場へ。ビール工場でもビール瓶やアルミ缶の軽量化に常に努力をしていることがよく分かった。その後、ビールの試飲を行なう。出来たてのビールがこんなにうまいとは知らなかった。おかわりをして黒ビールも飲んでみたが、やはり味が違うように感じた。

 キリンビールばかり書いてきたが、アサヒビールの社員さんもいたので、ここでは、アサヒビールとかけまして、ライオンと解く。そのココロはキリンも食われます。

 落語芸術協会の2つ目が稽古を頼んできた。実は先月、右紋師匠の葬儀の際に顔を合わした時に申し出てきたのだが、そういう場で頼むものではないと無視していたら、電話がかかってきた。ちゃんと落語に取り組んでいる若手だし、断る理由もないので了承した。

 現在は築地に住んでいて、自転車で我が家まで来るという。家の場所など説明しようと言ったら、知っているという。そう言われて思い出した。3年前、東日本大震災の数日後、アタシの会があって、当時、前座だった彼に出演を頼んであったのだが、現地にいてどうしても東京に戻って来られないという。

 仕方ないので別の前座を頼んだのだが、当然ながら、後日、家まで謝りに来た。だから、アタシの家を知っているのだ。さて当日、約束の午後2時にやってきた。1階のレッスン室が空いていたので、座布団を持ち込んで稽古をはじめたのだが、マクラをどうしようかといろいろ考えながらやっていたら、どうもうまくいかない。

 レコーダーを入れては止め、入れては止めで、とても稽古にならないので、改めて最初からやり直す始末。それでもその後はスムースに行って無事終了。とにかく稽古は一言一句が抜けてはいけないので気を遣う。しょっちゅうやる噺ならいいが、そうでない噺は苦労する。

 築地に住んでいるので、土産に魚の加工品を持って来てくれた。以前はそのような物は一切断っていたのだが、この節はおとなしく、ありがたく頂戴することにしている。後日、この日教えた噺を聴かせてもらうことになるのだが、その時は手ぶらでいいよ。尤も、また何か持ってきたら、アタシの会のスケを頼めばいいか。その方が当人も喜ぶだろう。

 今年初めての月島落語塾に行って来た。といっても今年になって初めての塾である。というのも講師のY氏が寒さに弱いようで、冬場はやりたがらないからのようである。以前は名の通り、月島の昔の長屋の2階を借りていたのだが手狭になったので、現在は若手も使っている貸席の浅草ことぶ季亭で行なっている。

 内容は「番付けでたどる落語の歴史」というまじめなもの。Y氏所蔵の昔の文献や雑誌から寄席芸や演芸に関する物を抜粋してその内容を解説して下さるのである。初めは無料で行なっていたのだが、その度に資料としてコピーをして下さるので資料代として千円を徴収することになった。

 といっても、その内容からしたら安すぎるくらいで、それ以上の価値は充分にある勉強会である。従って、参加するのも落語作家や大学教授、演芸研究家といった専門家も多い。噺家ではY氏の大学の後輩である昇吉も参加している。

 今回アタシが楽しみにしていたのはAV資料としてのNHK番組「びんぼう一代・志ん生」である。再現ドラマになっていて、若き日の池波志乃さんや木久扇や世之介なども出ていた。これなどはもう2度と見られない、めずらしい映像ではなかろうか。

 終わって、近くの蕎麦屋Kに行く。この店はむろん蕎麦屋なのだが、酒の肴が豊富である。定番の板わさ、天麩羅のほか、あたりめ、サラダ、卵焼きなどがある。アタシは酒を注文したのだが、一合びんの口のところに王冠のサビがべっとりと付いている。アタシの注文した酒はこの店ではほとんど出ないようだ。

 というわけで次にありふれた酒を注文しようとメニューを見ると「山田綿」と書いてある。楽屋のネタ帳に「綿の袈裟」と書いた前座がいたが、やはり同じ間違いをおかすもんだとみんなで大笑いした。そんなとこへマジックのA先生がフラッと入って来た。やはり芸人に愛される店のようである。

 

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