カテゴリ: 謝楽祭

 今年の謝楽祭で売れ残った扇子が売れた。これはアタシが前座の時、「ドレミファドン」というテレビ番組があって、正楽師匠が紙切りで呼ばれて、アタシもその三味線の鳴り物で呼ばれて、その時番組に出演していた山口百恵にサインしてもらった扇子である。

 長らくしまい込んであったのだが、手元に置いておいても仕方がないので、謝楽祭に¥38000で出品したのだが、まったく売れる気配がなく、そのまま残っていたものである。それがアタシの落語会のお客さんから打診があって、交渉の末、話がまとまったわけである。

 希望通りの値段ではなかったが、そのお客さんだったら大事にしてくれそうなので、即決したのだ。今年の目玉商品だったので、値段はともかく、売れてよかった。

 毎年9月の第一日曜日は落語協会の祭り、謝楽祭の当日である。アタシもこの日のために落語関連のグッズを集めてきた。しかし、去年行なわれた謝楽祭はコロナ禍中のため、マスクをし店先にビニールをぶら下げ遮断された店開きとなり、お客の入りも3割ほどだった。

 しかし、今年はコロナが5類入りして、一応安心して、以前のような形で行なわれることになったのだが、果たしてどのくらいのお客が戻って来るのか見当もつかない。そのうえ、台風の接近で午後は雨が予想され、どうなるか不安であった。

 朝7時過ぎ、カミさんが車を借りてきて、アタシと二女を乗せ近所に住むあんこを迎えに行き、湯島天神へ。天気は上々。荷物を会場へと運ぶ。今年は飲食の店も復活した。8時から朝礼。「ちんちろりん時蔵笑店」の看板を下げ、値札などの準備作業。

 今年は新宿末広亭の懐かしいポスターを多数用意した。それにアタシが着て不要になった落語協会の浴衣が9枚。果たして売れるかどうか分からないが並べる。そして、山口百恵のサイン入り扇子も。10時開店なのだが、9時半ごろからお客が様子見に来る。

 幸い雨は降らずじまいで天気予報が当たらず、万々歳。浴衣はすべて完売。うれしい誤算だった。しかしポスターが不振。若い人は新宿のポスターを見たことがないので、ぜんぜん関心を示さない。ちんちろりんのお客もコロナ前の7割ほどか。落語会の入りとほぼ同じ結果となった。

 しかし、天気に恵まれ、お客さんが大勢戻ってきたのだから、こんなありがたいことはない。年々、疲労がきつくなるが、この日だけは来年も頑張りたいと思う。来年はどんな品を並べようかと今から楽しみである。お出で下さったみなさん、ありがとうございました。また、来年。

 謝楽祭が終わった。去年、おととしと2年続けてコロナのために中止となっていたが、今年ついに満をを持して開催に踏み切った。今年の実行委員長は花緑師匠である。アタシは当初、今年も中止になると思い延期を提案したが、予定通り行なうと聞いた時は、とにかくホッとした。

 アタシの店は「ちんちろりん時蔵笑店」というちんちろりんで様々な景品が当たる健全な店である。しかし、今年はやはりコロナの影響で飲食の店は出店中止となってしまった。そのため、どれくらいの集客ができるかは見当がつかない。

 景品は3年前より若干減らしたが、それでもかなりの量となる。カミさんが車をレンタルして朝7時過ぎに荷を積んで、二女ともども3人で湯島天神に向かう。すぐに荷を搬入して準備にかかる。今年の目玉は新宿末広亭のポスターである。

 10時開店だったが、少し前から検温を済ませたお客さんがちらほら現れた。心配した天気もまずまずだが、例年のようにドッと繰り込むというような入りではない。ちんちろりんよりむしろ単品のグッズを覗く方が多い。その結果、浴衣反物4品完売。志ん生師、圓生師の写真完売、特価手拭いほぼ完売、ポスター7枚販売など。

 ちんちろりんの売り上げは例年の半分以下だったが、グッズが健闘してまずまずの売り上げ。若いころ毎年お邪魔していた文化祭の理科大のOBの方々は今年もお見えになった。いや懐かしい。まずは開催してくださったすべての方々に感謝、感謝楽祭だ。また来年お逢いしましょう。

 

 謝楽祭の開催が正式に決まり、準備に忙しい。といっても以前使った景品などの入れ物はそのまま使えるし、準備もやることが決まっているので、あたふたはしない。ただ、今すぐにやらなければならないこともある。動画である。

 謝楽祭用の動画を協会で募集していて、その作製をしなければならない。協会の事務所でも撮影は出来るのだが、こちらの思い通りにはいかない。そんなわけで去年に続いて今年も我が家の1階のスタジオで撮影することにした。

 今年もあんこ夫婦の手を借りて、また今年は長男も参加して万全の態勢で臨んだ。あんこが監督、あんこ亭主が美術担当、長男が編集担当である。まずは上式幕を張り巡らせて、そこに新宿末広亭のポスターと志ん朝師匠のめくりを貼り、雰囲気作り。その前にテーブルを置き、ちんちろりんの景品や販売品を並べる。

 ところが、この動画が流されるのは9月4日の謝楽祭当日からということが判明。したがって、ちんちろりんの説明をしても何の役にも立たないこととなった。仕方なしに通信販売の扇子、手拭いなどの説明だけとなってしまった。ちんちろりんのお客さんをたくさん呼ぶための動画をと思っていたので、がっかり。

 そんなわけでいちおう撮り終えたが、テンションは上がらずじまい。編集が終わり次第、協会に送るので、いずれ協会のホームページからご覧いただきたい。
 

 

 本日、謝楽祭実行委員会の会議があり、9月4日の謝楽祭を行なう旨の決定があった、と落語協会から連絡があった。開催されれば3年ぶりとなる。アタシはこのところのコロナ感染者の激増により、まずは中止の決定がなされると予想していただけに、とにかくありがたい。まさに吉報である。

 今年の実行委員長は花緑だが、まずは英断を下されたことを感謝し、お礼のメールを送った。彼の言い分は成功しているイベントがたくさんあり、精いっぱい努力して開催するとのこと。まさに良き決断をされたと思う。

 ただ、これから先、感染者が増え続けることになったら、中止となるかもしれない。まずは感染者が下がり続けることを祈りながら、準備を進めたいと思う。手ぬぐい、扇子の包装、景品の整理、それに謝楽祭用の動画撮影も急がなければならない。急に忙しくなるのが何よりうれしい。

 また、これを書いているさなか、黒門亭実行委員長の蔵之助師から電話があり、焼酎(彼は酒が飲めない)があるので、今度の会議の時に持参してくれるとのこと。なんと佳き日であろうか。そうか、きょうは大安吉日だったな。

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