落語協会が毎年募集している新作落語台本の発表会が池袋演芸場で行なわれた。オープニングは丈二と、相方を今年から若手に任せようということで杏寿の二人で行なった。選出方法や賞金などの説明があり、すぐに発表会の開幕。

 出演順に「クネクネ禁止条例」三遊亭ふう丈、「これは墓まで」柳家平和、「託おじさん所」林家きく磨、中入り、「ローカルバス」三遊亭ごはんつぶ、「タトゥーに込めた愛」柳家はん治といった番組である。先日の選考会では「タトゥーに込めた愛」が圧倒的に票を集めた。

 審査員は27名。上位2本を選ぶことになっている。アタシの評価では「託おじさん所」が抜群に面白かった。そして、もう1本が「ローカルバス」。結果もアタシの評価通り、「託おじさん所」が最優秀賞、「ローカルバス」が優秀賞に選ばれた。

 終わってからの打ち上げでは若手、ベテランが入り混じって、この日の作品について、いろいろな演出方法やアイデアが語られた。さて、来年3月下席には、例年のごとくこの日の作品を含めて新作落語台本の会が池袋演芸場で行なわれることになっている。

 

 

 念願であった倉敷での落語会がやっと実現した。アタシの弟は10年前に63歳でこの地で亡くなっている。入院中も見舞いだけでなく、無理を言って病院で落語会を催していただき、聴いてもらったりもした。そんな想い出のある地で再び行なうことが出来たのだ。

 場所は弟もよく訪れたカレーの店である。店主にも無理を言って催してもらったものである。しかし、一番大変なのは客集めである。アタシに集められるわけもなし、それこそ奔走してくれたのは、弟のパートナーであったSさんである。そして、弟の友人はわざわざ東京から来てくれるという。頭が下がる。

 中にはチラシを見て飛び込みでお出でになった方もあったという。そんなこんなで皆さんの手を煩わせてやっと開催にこぎつけたのである。それほど広い店ではないが、何とかいっぱいになった。Sさんの友人や知り合い、近所の店の方々が時間をさいて、わざわざ駆けつけてくれたのだ。

 弟がおそらく好むであろう「谷風情け相撲」と「火事息子」の2席をやらせていただいた。皆さんに大いに楽しんでいただけたものと思う。最後に全員で集合写真を撮り、無事お開きとなった。久しぶりに充実した秋の一日となった。

 今年から始めた「時蔵の落語道場」の会も今年最後の会となってしまった。奇数月に行ない、今回が6回目であるが、お客さんが入らなければやめるつもりでいたのだが、まあまあ何とかやっていけそうなので来年も続けることになった。 

 共演する5人は、いわゆる社会人落語の方々で様々な仕事を持っている。すべての方の職業を把握しているわけではないが、知っている限りではピアノの調律師、銀行マン、元日本テレビの女子アナ、コピーライターなど、さまざまである。そんな中でも先日出演された道楽さんはなんと来月90歳を迎える。

 そのように現役を終えてリタイアされた方も多いのだが、何より落語が好きで高座で楽しそうに演じているのを見ていると、誠にほほえましい。我々のようにお客さんに対するプレッシャーというものがないからだろうか、のびのびと演じている。 

 そして、この日は普段から我が家のレッスン室で歌のレッスンを受けているコーラスグループの面々が何人か来てくださった。ただ一緒に歌を歌っているだけなのに、わざわざ落語にもお付き合いいただけるとはただただ恐縮するばかりである。

 来年からはこの落語会のメンバーでの稽古会でもやって、もう少し充実したラベルの高い落語会にしたいとも思っている。来年の第1回目は1月24日の午後1時半からお江戸両国亭で催される。皆さんお誘いの上、お出かけくださいませ。
   
   

 

 来年からは何人かが集まって、お互いの芸を批評するような勉強会のようなこともやりたいと思っている。来年初めの会は1月24日(金)、お江戸両国亭、午後1時半開演である。

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